日々是設計 No.17
桜隠しの雪と、雪餅草(ユキモチソウ)
2020-04-06

桜を見ると何かを思い出す
落ち着かない春の陽気。
3月も末の桜咲く日曜日に雪が降った。
都心で3月下旬に雪が降るのは32年ぶりのことらしい。
桜が咲いているのに雪が降り、雪が桜を覆い隠した様を表現する「桜隠し」という綺麗な季語がある。
儚げな風情を感じます。
雪餅草(ユキモチソウ)
左:姉の雪江 右:弟の雪太郎(雪江の株元から生まれてきた)
嬉しい芽吹きがあった。
昨年の真夏から様子を見守っていた山野草の雪餅草が
ついに姿を現した。
苞につつまれた花序が雪のように白く、餅のようで
「ユキモチソウ」と呼ばれている。
サトイモ科で乾燥を嫌う為、
株元を堆肥で覆ってある。
(相談役からもらった謎の堆肥)

美味しそうな餅

後ろ姿も美しい
サトイモ科テンナンショウ属の宿根性多年草で、原産地は日本。
元々の自生地は近畿・四国の一部地域らしい。
雌雄異株の上に乱獲などの影響もあり個体数が減っていて、
現在は絶滅危惧種に指定されている。
気品のあるバーガンディ色の苞に、大福のように白く丸いモチ。
個性派揃いのテンナンショウ属の中でも目を引く容姿。
凛とした立ち姿がかっこいい。
成熟するにつれ性転換したりして、なかなかの気まぐれに
翻弄された春だった。
(つ)
