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樹木医日記(№12~№30)

樹木医日記 ~木々との語らい~ No.30

桜切るバカ・・・・、ではないのです(樹木医 冨田 改)

春の幕開けはサクラの開花で始まると言えるでしょう。
まず河津桜がほころび始め、ソメイヨシノの桜前線の話題がでてくると、本格的に春に思いが飛んでいきます。
 
ところで「桜切るバカ」と俗に言われていますが、大きくなりすぎて困っているケースも実は多いのです。
こちらのサクラも伸びすぎた枝にクズが絡みついて、花が咲いてもせっかくの風情を台無しにしています。
 
当方に相談があったのは、ただ単に切るのではなく、
木の姿、並木としての風情、そして何よりも木の樹勢を衰えさせないための処置を、とのことからでした。
適切な位置を探り出し、慎重に枝を落としました。
見事に咲いてくれることを願って…
切り口の処置も手抜かり無く行います。
 
 

樹木医日記-~木々との語らい~No.29~

その後のイチョウの倒木対策(樹木医 北 和俊)

今回はイチョウについての報告です。
樹体にかかる負荷を軽減させる対策を行ないました。施工は3段階に分かれます。まず、枝抜き剪定を行い、次に、樹高を低くします。今後、成長したとき、どういう樹冠になるかを考えた上で剪定位置を決めました。そのあと、クレーンによる吊り切りで13.5mある樹高を6mほどに引き下げます。最後に特殊素材のロープによる周りの樹木へ3点支柱する、という流れです。
幹を“だるまおとし”のように切断し、樹高を引き下げるのが一番大変な作業でした。足場の少ない樹上でロープワークを駆使しながらチェーンソーで幹を切断。クレーンによる吊り切りは、切断した幹が意図した所に降りるように細心の注意を払って作業を進めなければならないので、高度な技術を必要とします。
特殊素材のロープの特徴は、ワイヤーと比べ、軽く、施工が容易であることです。今回使ったもので2tの負荷に耐えることが出来ます。
この一連の作業で、倒木の危険度はかなり低くなったといえます。今回の作業後、このイチョウがどのように成長していくのか、見守って行きたいと思います。
対策前
吊り切り施工中
ロープ支柱施工中
施工後

樹木医日記-~木々との語らい~No.28~

イチョウの樹木診断(樹木医 北 和俊)

今回は茅ヶ崎市にあるイチョウについて報告します。
高さ13.5m、枝幅9.0mのこのイチョウ(写真1)は、オハツキイチョウと呼ばれ、葉に結実するとても珍しいものです。(写真2)かつては、今よりもっと大きかったようですが、落雷による被害で今の樹高となり、内部への被害も甚大なものとなりました。現在、内部の空洞部にはウレタンが詰め込まれています。空洞率が高いことが予測され、今後の管理の方針を決めるため音波を使用する機械で、内部の空洞率を計測しました。(写真3)
地際から計6ヶ所計測し、平均すると空洞が全体の7割以上を占めていることが判明しました。所々に生存している部分が残っているため、すぐに倒木する危険性は低いと思われます。が、このままでは、年々倒木する可能性は高まると考えられます。それで、樹体にかかる負荷を軽減させるために、二つの対策を提案しました。
1つは、ワイヤーロープ等を使っての倒木防止の支柱。周りの木とイチョウをつないで倒木を防ぐのです。もう1つは枝抜き剪定です。風により枝があおられて、樹体がねじられる抵抗を減らし、幹が折損する可能性を低くするためです。
これらの対策によりこのイチョウが今後も元気に生育し続けてくれることを願っています。
写真 1
写真 2、3

樹木医日記-~木々との語らい~No.27~

古木調査で思うこと(樹木医 冨田 改)

昨今、世紀をまたいで生き抜いた古木をみる機会が多くあったが、それぞれに幾多の苦難を乗り越えて今日に至っている。
樹木は厳しいにさらされている例もいくつか見うけた。
生物のうち、動物は環境が悪くなれば、用意に移動を行うが植物はその場を離れるわけにはいかない。
植物にとって、その場は様々であるが、おおむね人間が関与し、次第に劣悪環境へと追い込まれるか、一定の所に押し込まれてしまっている。
人間はできれば天寿を全うしたいと誰もが願っていると思うが、樹木もきっとそうに違いない。
生育環境の変化で次第に衰退し、枯死した古木
根元調査 表皮はすべて枯死

樹木医日記-~木々との語らい~No.26~

樹木医研修会(樹木医 関 隆夫)

先日、平塚の馬入ふれあい公園でおこなわれた、日本樹木医会神奈川県支部の研修会に参加しました。
内容はスポーツターフの管理手法について。講師は実際に平塚競技場の管理をされている湘南造園(株)の小林さん。
スポーツターフとは競技場、主にサッカー場の芝生のことで、日本では20年ほど前のJリーグ開始とともに導入されました。
私たち造園屋も芝生の管理を行っていますが、それとスポーツターフの管理とはさまざまな点で違いがありました。
こちらのグラウンドでは夏芝と冬芝を季節に合わせて切り替えて使用しています。
現在、Jリーグは3月からはじまって12月の上旬までで、この期間内で試合のある時はグランドの芝生は常にベストの状態であることを求められるということです。
つまり、競技のある期間は常に青々としていなければならないのです。これには非常に高度な管理技術が必要になってきます。
具体的な管理作業としては刈込、施肥、傷んだ部分の補修、灌水で、これは個人邸や公園の芝生管理作業と同じです。
しかし、驚くべきはその回数で、平塚の競技場では年間に200回の刈り込み作業、20回の施肥をするそうです。
また、灌水作業も競技場全体にむらなく水が行き渡らないと芝生の生育に差ができてしまうそうで、スプリンクラーの設置位置にも細かな配慮が必要だということです。
講義の後、グランドに入れていただいて芝生の感触を確かめたり、使用機械を見せてもらいました。
現在の芝生はライグラスとティフトンの混合だということですが感触はとても柔らかく気持ちの良いものでした。
このグランドで練習している湘南ベルマーレは今年J1リーグ昇格を果たしました。
    グランドキーパーとしてチームの成績が上がることが一番の喜びと話されていました。
講師の小林さんおめでとうございます。

樹木医日記-~木々との語らい~No.25~

なぜマンサクは枯れてしまったのか(樹木医 北 和俊)

ある現場の法面に植栽されている高さ3m、幅2.5mのマンサクが枯れてしまいました。
(写真1)以前、すぐ隣に植栽されていたマンサクも枯れたために伐採されたようですが、
こちらは根が生きていたのか、細い枝が成長していました。葉に病害と疑わしき症状はみられますが(写真2)、
これだけでは枯れることはないのです。
では、なぜ枯れてしまったのでしょうか?
このマンサクが植栽されている場所は、北側に20mを超えるマンション、東側~南側には林地が広がり、日当たりが悪いのです。
土壌表面も、本来、芝生のあったところなのに、ほぼコケで覆われていることから(写真3)、水はけの悪さが推測されます。
日照不足と水はけの悪さ、このどちらかでも該当すれば、健全な樹木の生育は阻害されます。
今回のように2つも該当すると、樹木にとってかなり厳しい生育環境であるといわざるを得ません。
生育に適した場所かどうか調査・検討したうえで、植栽するかどうか決めるのがよろしいか、と考えます。
写真 1
写真 2、3

樹木医日記-~木々との語らい~No.24~

サクラの胴枯れ病について(樹木医 関 隆夫)

 サクラが先端から枯れてくるサクラ胴枯れ病についてお話します。
 この病気は、最初は枝の先端が枯れるだけですが、先端から次第に胴へと枯れてきて、最終的には全体に広がり、枯死に至る危険性の高いものです。
 環境の変化や、強剪定等の原因で樹勢が弱った時に感染しやすく、菌の活動が活発な高温多湿な時期に被害が広がります。
 夏場の剪定時には切り口から菌が侵入することがあるので必ず殺菌剤を塗布します。
 重症木は菌の伝染源になるので伐採して撤去処分したほうが良いです。
 被害を防ぐには樹勢を低下させないような適切な維持管理がなにより重要です。
 ある公園の過去と現在の写真をご覧ください。
 こちらのサクラ衰退の主な原因が胴枯れ病とみられています。
横浜のある公園の過去
その5年後の様子

樹木医日記-~木々との語らい~No.23~

また、目立ちだしたマツノザイセンチュウ被害(樹木医 関 隆夫)

最近、神奈川県内でマツノザイセンチュウによって枯れたとみられる松の木をよく見かけます。
5年ほど前に大磯の海岸線で多くの松が枯れていました。それらが伐採されてマツノザイセンチュウの被害は落ち着いたかと思っていましたが、最近は国道一号線の横浜新道のあたりや鎌倉の市街地、藤沢でも内陸部で見かけます。
写真は藤沢市内のある工場の敷地内の松です。8月の時点ではまだ緑の葉がたくさんあったのに2か月もしないうちに完全に枯れてしまいました。
この急激な枯死はマツノザイセンチュウによる特徴の一つです。
こうなってしまうとセンチュウが他の木に移動するのを防ぐためにできるだけ早く伐採して、根株にも殺虫剤を撒かねばなりません。
マツノザイセンチュウは1mmぐらいの大きさなのでルーペで見ることができます。
見る方法も比較的簡単で、写真のように木工ドリルで穴をあけて削りかすを一握りぐらい集めてそれを水につけておいてクッキングペーパーで濾して、それをルーペで見やすいような透明な瓶に入れて観察すると、センチュウが泳いでいるのを見ることができます。
 
 今回伐採した松は根元、中間、先端のどの部分にもセンチュウがいました。
マツノザイセンチュウの疑いのある木
施工中
抽出中
マツノザイセンチュウ

樹木医日記-~木々との語らい~No.22

クロマツの倒木危険度を診断(樹木医 北 和俊)

今回はクロマツの樹木診断について紹介します。
このクロマツは推定樹齢240年で、高さ18.5m、幹周3.19mの威風堂々とした見事な姿です。
幹の東側に高さ2mから5.5mにかけて開口空洞があり、この影響で倒木の危険性があるのかどうか調べるのが今回の調査目的です。
倒木の危険性を判断する目安となる数値でt/R比というものがあります。
tは健全部の厚さ、Rは幹の半径を表し、この数値が0.3を下回ると倒木の危険性が高いと判断します。開口空洞の4ヶ所でそれぞれを計測し、t/R比を出すと4ヶ所の平均が0.5前後とわかりました。
現時点では、倒木の危険性は低いと考えられますが、幹が西側に傾いて成長しているので、今後の安全対策として、開口空洞部への負荷軽減を講ずるべきと考えます。
立地上、支柱を設置することはできないので、上部を5m程度切断し、西側へ出ている大枝の長さを短くすることで、かなりの負荷軽減が図られ、倒木の危険は回避できると判断しました。

樹木医日記-~木々との語らい~No.21

シダレモミジの呼び接ぎ(樹木医 富田 改)

呼び接ぎ(よびつぎ)とは?
 
樹木治療の一つに「呼び接ぎ」という手法があります。
根の衰えが激しく、根から養水分を上部(幹や枝葉)に送りきれない場合や養水分の脈が分断されている場合に、葉水分を吸い上げるバイパス(新たな根)を人為的に作るものです。
根の活動が上部に伝わらない樹木は、かなり重症です。この呼び接ぎの手法は、重症の樹に対して最後の手段としてとることが多いと言えます。
 
余盛りが衰えの原因に
 
今回紹介するシダレモミジの治療も、依頼主の何とか樹を生かしてやりたいという思いを受け、取り組んでいるものです。
樹勢衰退のそもそもの原因は土の余盛りでした。この余盛りというのは元の地盤の上に土を重ねることです。適切な位置以上に土を盛られると、根に酸素がまわりにくくなり樹は弱ってしまい、虫がつきやすくなったり、病気になりやすくなるのです。
 
最後の望みをかけ
 
このモミジは余盛りされた根元をカミキリムシに食害され、4年前には衰退が表れていました。以来、余盛り除去、土壌改良等で樹勢の回復(食害痕の回復)を図りましたが、今年になって上部幹の一部が枯れてきてしまいました。そこで最後の望みをかけ、モミジの若い苗木を呼び接ぎすることにしました。
 
写真で治療の様子を紹介します。
根元患部の状況
幹と若木の表皮を削り針止める
分断された幹の表皮と若木の表皮が密着するように針止め、接ロウで間をふさぐ
治療完了
完全に密着を確認できたら若木の先は切除する

樹木医日記-~木々との語らい~No.20

薬剤注入で枯死か? 3本の街路樹(樹木医 北 和俊)

街路樹として植栽されているクスノキが、枯れているのではないかとの通報を受け診断してきました。現場に行ってみると、周りのクスノキは枝葉を繁らせているのに、通報のあった3本のクスノキのうち1本は全く枝葉がなく、2本はわずかに枝葉が生えているのみで、健全といえる状態ではありませんでした。
調べてみると、全く枝葉のないクスノキは根元に径1.5cmの穴がいくつもあけられていました。わずかに生えている葉は小さく、葉の両端から枯死していて、幹からの芽吹きも八房状となっていました。これらは除草剤で枯れていく症状に似ています。
悲しいことに、この3本はどうやら除草剤を注入されて、人為的に枯らされてしまったものと推測されます。1本は幹に穴をあけられて、そこから直接注入され、2本は幹に穴をあけられていないので、植枡内へ注入されたのだと思われます。
街路樹は夏の日差しを和らげ、緑があることでの癒しの効果など、私たち人間に多くの恩恵をもたらしてくれます。どのような意図があったのかわかりませんが、多くの方に街路樹の価値と意義をもっと理解してもらうことも、樹木医の役割の一つであると改めて考えました。
枯れたクスノキ
除草剤の注入痕
除草剤注入の症状に類似①
除草剤注入の症状に類似②

樹木医日記-~木々との語らい~No.19~

アカマツ 大雪被害の処置(樹木医 富田 改)

今年の大雪は樹木にとって散々なものでした。 
今まで経験したことのない雪の重さに、鍛えられていない樹木は枝折れや枝裂けが多く発生しました。
そんな一例を今回は紹介します。
樹種はアカマツです。余盛や管理上の問題があり樹形は乱れていますがそれを引継ぎ管理させてもらっている木です。
雪の重みで枝が大きく裂けたので緊急的に主木(支え)をし、裂けが広がらないように処置しておいたところを元に戻したのです。
枝を持ち上げて戻しながら番線で締めることを繰り返し、どうやら元の状態近くまで戻すことができました。
この枝は断面の半分までが、枯れていてキノコの発生もあり、傷を治療して自立まではかなり難しい状態ではありますが今後の経過を観察していきたいと思います。
 
枝裂け状態
枝を上げながら裂け目の状況を確認中
元の状態に戻し固定
治療完了

樹木医日記-~木々との語らい~No.18

フジ 幹腐朽部への処置(樹木医 北 和俊)

今回はフジの治療について紹介します。
弊社で年間を通して管理しているフジです。このフジは以前は花が咲かず、花を咲くようにして欲しいという依頼があり、それからのおつきあいとなっています。
幹にウレタン処置された部分がありましたが、表面はボロボロになり、患部からの剥離があり、相談をうけ処置をしたものです。
ウレタンは直射日光で劣化しやすく、強度も低く、腐朽部分内へ湿気を留め、腐朽を促進させてしまう可能性もあります。
腐朽菌が活発化するのには一定の温度と湿度が要求されます。患部は湿気が滞るよりは乾燥させておいた方がよいのでウレタンを除去し、可能なかぎり腐朽部分を取り除きました。
患部に殺菌剤を散布し、防腐剤を塗布しました。
今回の治療で、これ以上腐朽が進行せずに、末長く成長し続けられるように願うばかりです。
写真1 治療施工前
写真2 ウレタン撤去中
写真3 防腐剤散布中
写真4 治療施工完了

樹木医日記-~木々との語らい~No.16

樹齢100年のトキワマンサク(樹木医 冨田 改)

今回は樹齢約100年、樹高5.5m、枝張り6m、4本立ちの立派な姿のトキワマンサクの話です。
木全体に白い花を付けたときの姿は目を見張るものがあり、ご近所でも評判の地域のシンボルツリーのようです。

ところが3年前に移植をしてから、次第に樹勢が低下しだし、小枝枯れや中枝枯れが発生し、花も往時の面影がないほどに少なくなってしまったとのことで、相談がありました。

伺って診断してみると、20㎝の深植えと土壌が極度に固くなっていることが分かりました。
基本的な治療として、深植え分の土壌撤去と土壌膨軟化を行い、また土壌改良剤や細炭を入れるなどして樹勢回復を図りました。引き続き経過観察をして行きます。

写真1 治療施工前の根元の状態
写真2 深植え分は20㎝ほどあった
写真3 土壌改良の途中経過
写真4 治療工事完了

樹木医日記-~木々との語らい~№14

=人災=木の衰えの原因は人間!?(樹木医 冨田 改)

この木は何を苦しんでいるのでしょう???

 このソメイヨシノはある公共施設のシンボルツリーです。玄関前におおらかに枝を伸ばし、大木の持つオーラを示しつつ、訪れる市民を楽しませてくれています。

 この桜が、近年目に見えて衰えてきました。花の付きも以前に比べ寂しいものになっています。「なんとか以前のように…」との相談を受け、問題点を確認し、いくつかの手当てを施しました。

 上の写真は手当てをする前に写したものです。何が問題なのかわかりますでしょうか。一般の方には普通に植えられているように見えますが、たくさんの木と付き合ってきた樹木医の私には、この木の叫びが聞こえてきます。「土の盛り過ぎ」「不適切な枝の切り方」など、人が間違った対応をした結果「二段根の発生」を引き起こし、樹勢を衰えさせ、ひいては「キノコの発生」という大変な負荷をこの木は抱えているのです。

 以下の写真で、実施した手当のいくつかを紹介します。
余盛が65㎝あり、すでに二段根が発生し、
広がっていた。
腐朽、枯死していた元の根
搾乳空気を注入し、締め固まっていた赤土を砕く。
中途半端な切り方のため、枯死部分が残っていたので再切断する。
根を傷めないようにエアースコップで土を除去する。
作業が終了しました
 
 土中の根を手当てし、キノコ対策を施し、余盛の土を取り除くなどしました。
 炎天下と土ぼこりの中、結構大掛かりな工事でした。この後も注意深く、キノコ対策を行わなければなりません。

樹木医日記-~木々との語らい~№13

続報『御感の藤』手入れはまだまだ続きます 2010年1月(樹木医 冨田 改)

写真 22年1月の『御感の藤』の様子
この樹木医日記で21年8月に話題にしました小田原城址公園の「御感の藤」の続報です。

先日、冬の手入れを行いました。
昨年の手当てのかいがあり、枝の伸びもほどほどにあり、
何より花芽がしっかり付いていてくれました。
藤の根元にはスイセンが咲き、寒さに震えていても、春の足音は着実に近づいています。
害虫、風害の影響が出ませんようにと願いつつ、今年の開花に期待を持っています。


今回の手入れの様子を以下の写真で紹介します。
棚上で剪定と誘引の作業です。右写真は誘引の拡大写真です。これが結構大変な作業です。
「御感の藤」は幹の腐朽がかなり進んでいます。その対策にも取り組んでいます。腐朽部を除去したり、防腐剤を塗布したり、樹木医として学んだことを生かしています。
 

樹木医日記-~木々との語らい~№12

よみがえれ『御感の藤』2009年8月(樹木医 冨田 改)

小田原市の城址公園に「御感の藤」と呼ばれる藤棚があります。
この藤は、大正天皇がまだ皇太子だったときにご覧になり、
感嘆したことから、こう呼ばれるようになったということです。
市民からも長年親しまれ、城址公園のシンボルの一つでもありました。

ところが数年前から、花の付きが悪くなり、花房も短くなり、
藤の衰えを心配する市民の声が、小田原市に多く寄せられるようになっていました。

この藤に関して、日本樹木医会神奈川県支部に相談があり、
同支部で管理させていただくことになりました。
現地調査を行い、手当ての方法を検討し、
私が責任者として、治療、保全に当たっております。

実際の手当ては、昨年(2008年)の7月に行った先端止めに始まり、
その後、施肥、剪定、幹の腐朽部治療などを行い、現在に至っています。
今年の開花では、まだ十分な回復は見られず、
かつ、あいにくの強風で花が散らされてしまいましたが、
房が長くなってきており、確実に回復の兆しを感じました。
来年以降さらに改善されるものと信じています。

小田原城址を訪れる多くの方々が、
心行くまで観賞できる藤になってほしいと願い、
当社のスタッフと一緒に、この御感の藤に向き合っています。

 
この立派な藤棚に立派な花の付く事を願って・・・
藤棚の上に乗ってツル止めの作業を行っている様子
土壌調査のための土を採取しました
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