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設計のブログ

日々是設計 No.23

造園素材考

2021-10-08
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造園の基本に「その土地の物、身近な物をつかう」という考え方があります。

私たちは、庭をつくるのに近隣の森や山を見てどんな植物が自然に生え、環境に適合しているか確認をして植樹の指標としたり、その木の近種を植えたりします。

庭の気候や風土に合った植物が枯れることなく環境にあった風景を作り出すからです。

石も庭を掘って出てきた石をそのまま使うこともあります。
イギリスのコッツウエルズの石積みヘッジは、庭や耕作地を造成したときに出土の石と聞いています。

やや保守的な庭造りの考え方、手法かもしれませんが造園家なら押さえるべきことがらだと思います。
 



さて、身近な材料を使った例を一つ紹介しましょう。

お庭の法面の土留に竹を編んだ「竹しがら」の補修交換をしました。

鋼鉄の竹割具で竹を割いて細くして、打ち込んだ杭に交互に編み込みます。難しいことではありませんが、なかなかやる機会もなく久しぶりの作業です。

植物とのなじみや自然物の風情、竹の持つテクスチャーなどいかがでしょうか。

耐久性はアルミや合成樹脂のようには行きませんが、山を侵食している竹を少しでも消費しようという気持ちも手伝って、いい物作った感が残った仕事でした。

そして、温暖化の昨今は南方系の樹木やタスマニア地方の樹木が多数流通しており、革新的で目新しくまた、造形的にもかっこいいですが、あまり気軽に植えるのはどうかなぁと思っている今日この頃です。

植物の仲間が増えることはWellComeですけどね。


(山下)



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